Bé-A Journal

大人が思うよりも深刻?!子どもが抱えるストレスとは

子どもが気を遣うのは、意外な場所でも

初潮を迎える少し前から始まる女性ホルモンによる身体の変化。大人になるとつい忘れてしまいがちですが、さまざまに訪れる変化に、子どもながらに戸惑い、繊細に心が揺れ動いていたのではないでしょうか。

初潮を迎える第二次性徴期、「思春期」でもあるこの時期というのは、自分だけでなく、家族や友人といった自分の周りに対する考えや悩みを持ち始める時期とも言われています。体の急激な成長に心が追いつかず、不安定になりやすい思春期のなか、子どもたちが生理に対して「めんどくさいもの」「恥ずかしいもの」と捉えて生理期間を暗く過ごしていたら…表には見えないけれど、子どもにとっては大きなストレスになっているはずです。

私たちBé-Aは、実態を把握すべく、生理のある小中学生56名にアンケート調査を実施しました。すると、約9割が「学校や外出先で、生理ナプキンを替えるのが嫌だと思ったことがある」と回答。さらには約8割の子どもたちが「トイレでナプキン等を取り替える音に気を遣う」と回答しました。

発育には個人差があり、初潮を迎える年齢も10〜14歳と大きく、5年ほど差があります。周りには生理がまだ来ていない人もいるなかで、毎日過ごす学校や習い事などの外出先では特に気を遣って過ごしていることでしょう。
また、「家庭内でも生理ナプキンを取り替える音に気を遣う」という人はなんと半数近くにものぼり、「生理であることが親や兄妹に対して知られたくない…」という声も少なくありません。

本来、子どもにとって安心できる場所である「家庭」ですが、生理をきっかけに子どもたちが家族にも気を遣いながら、そして「なるべく生理だと気づかれないように…」と生活をしていることもある…そう思うと、私たち大人が思っている以上に子どもたちのストレスは深刻かもしれません。日頃から子どもに寄り添うことの必要性を感じます。

親が子どもの月経教育に関わること

ある大学の研究結果では、親が子どもの月経教育に関わるほうが、子どもの月経の受け入れ度合いが高く、自己受容度も高いと言われています。
例えば、少数意見を持つ人が、多数意見に合わせるよう暗黙のうちに心理的な圧力で強制する「同調圧力」について。皆が賛成している中、反対と言えない…学校や友達間でもよくある光景です。英語では「仲間/peer」と、「圧力/pressure」を合わせて「peer pressure(ピア・プレッシャー)」と言います。自己受容が高い子どもは、このピア・プレッシャーにもつぶされることが少ないことが明らかになっています

これから約40年も生理と付き合っていく子どもたちに、私たち大人が出来ること。それは、子どもに対してきちんと正しい知識を伝えていくことではないでしょうか。

そして正しい知識を伝えることだけでなく「生理になりそうなときにナプキンがなくて漏らしてしまった」というような、私たちがかつて子どもだった頃の生理の苦い経験も伝えていくと、恐れる気持ちも少なくなるかもしれません。
私たち大人も、初潮を迎えてから何度となく、ナプキンを忘れたり、経血で洋服を汚したりといった失敗を繰り返し、そのたびに不便に感じてきました。生理があるからと消極的な選択をすることも当然だと思って生きてきたこともあります。でも、願うならば子どもたちには、私たちと同じ失敗をしてほしくない。不便さを感じずに、自由に人生を謳歌してほしい。
だからこそ、大人も「自分のときはこうだったから」という価値観をアップデートし、現代を生きる子どもたちの心に寄り添うこと、そして成長を見守っていくことができれば、彼女たちが開く大人への扉はきっと素敵なものになるはずです。

子どもに寄り添い、未来につながるサポートを

思い返せば、生理周期が安定しない年頃というのは何かと困りごとが多かったもの。私たちが子どもだった頃に比べれば、現代は生理に関する情報もさまざま発信されています。しかし、正しい情報をきちんと得られる機会は少なく、子どもたちにとって抵抗感を感じてしまう現実がまだあると言えるでしょう。

大人になるための助走期間に正しい知識を共有し、寄り添うことは、未来を生きる子どもたちが生理で何かを諦めたり、後ろめたい気持ちになることなく快適に生活を送れるきっかけになるに違いありません。私たちが率先して、子どもたちひとりひとりを尊重したうえで生理との付き合い方についてコミュニケーションを取っていきたいものです。
そうすることで子どもたちが安心して、笑顔で、未来に向かって自由に人生を歩んでいけることでしょう。