3. 補って、心地よく。実践! 鉄チャージ
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体内では作れない鉄は口から摂り入れる必要があります。
では、食事だけで、推奨量10.5mgを満たそうとする場合、何をどのくらい食べればよいのでしょう?
鉄を多く含むとして知られている豚レバーでも、80gが必要。
食べやすい豚ロース肉では、なんと3.5kgが必要です。
食事だけで鉄を十分に摂るのは至難の業。
だからサプリメントなどを活用するのがおすすめ!
鉄は、
・動物性の食品に多く含まれる「ヘム鉄」
・植物性の食品に多く含まれる「非ヘム鉄」
の2種類があります。
ヘム鉄:肉や魚などに含まれ、吸収率が高い鉄
鉄がタンパク質で覆われているため、胃や腸を荒らしにくく吸収がスムーズ。
赤血球(ヘモグロビン)の合成に活用されやすい。
非ヘム鉄:海藻や野菜などに含まれ、吸収率が低い鉄
鉄がむき出しで、吸収する時に発生する活性酸素によって、吐き気や胃痛などの副作用も。吸収率が低い。
ヘム鉄は、吸収率の高さが特徴。
サプリメントなどで摂る場合は、ヘム鉄を選ぶと効率的です。
フェリチン鉄、キレート鉄って?
鉄サプリメントの中には、「フェリチン鉄」や「キレート鉄」を使っているものもあります。
実は、どちらも非ヘム鉄を吸収しやすいように加工したもの。
フェリチン鉄
非ヘム鉄とフェリチン(たんぱく質)を結びつけたもの。体内に存在するフェリチン(貯蔵鉄)とは別物。非ヘム鉄の吸収を助けるとされている。
キレート鉄
非ヘム鉄をアミノ酸でコーティングしたもの。通常の鉄とは異なる吸収ルートを通り、安全性に疑問が残る。日本では未認可。
まずは原材料欄をチェック!
1.不要な添加物が入っていないか確認
着色料・香料・甘味料・保存料 などは、サプリメントとしては必要ありません。
2.鉄の種類を確認
「ヘム鉄」と記載があるものを選びましょう。
非ヘム鉄の場合、以下のように記載されています。
「硫酸第一鉄」「グルコン酸第一鉄」「クエン酸第一鉄」「クエン酸第二鉄」「硫酸第二鉄」「ピロリン酸第二鉄」など。
3.鉄の量を確認
ヘム鉄500mgは、鉄10mgに相当します。(※ヘム鉄の鉄含有量が2%の場合)
鉄10mgを満たしているか、またはヘム鉄500mg以上を満たしているか確認しましょう。
4.鉄以外の栄養素も確認(葉酸・ビタミンB12・亜鉛)
鉄を補うだけがゴールではありません。補った鉄をしっかり活用するためには、他の栄養素とのバランスが大事。鉄以外の栄養素を確認しましょう。
葉酸・ビタミンB12・亜鉛の3つは、鉄と一緒に意識して摂りたい栄養素です。
「ヘム鉄」は、体内に酸素を運ぶ「赤血球」の中のヘモグロビン(ヘム鉄+グロビン)を構成する成分。壊れにくく丈夫な赤血球をつくるためには、葉酸・ビタミンB12・亜鉛もしっかり摂りたい栄養素です。
葉酸:新しい赤血球をつくるのに欠かせない栄養素。
ビタミンB12:葉酸と協力して赤血球の生成を助ける。
亜鉛:赤血球をつくる酵素の働きを助け、細胞分裂や新陳代謝を支える。
過剰摂取の心配は? ▶ 同じ種類のサプリメントを乱用しなければ大丈夫!
それぞれの栄養素の上限量は以下の通り。
例えば鉄40mgは、サプリメントで10mg+豚ロース肉10kgを食べて、やっと到達する量です。
同じようなサプリメントを乱用しなければ、過剰になる心配はほとんどありません。
● 1日当たりの上限量
* 成人女性:鉄 40mg/葉酸 1,000µg/亜鉛 35mg
* 10〜11歳女性:鉄 35mg/葉酸 700µg/亜鉛 設定なし